公明党松戸市議会議員
あしだ 満春

松戸市の財政調整基金 運用の解説

2026.07.20

財政調整基金ってご存じですか?
一般家庭でいえば貯金のようなものを、松戸市としても財政調整基金という名目である程度のお金を貯蓄しています。

この基金。
災害時など緊急時に備えるために通常は銀行に預けているのですが、
みなさんご存じの通り、銀行に預けているだけではあまり動かないお金になってしまいます。
基金は運用することでその利回りによって基金を増やすことができます。
そのため議会からも市に対して基金の運用を政策提言してきました。

金利のある時代に突入し、松戸市としても2024年7月から債券運用に踏み切りました。
市が購入した債券は、
「千葉県発行の市場公募債で年限10年間」
「総額4億円の投資」
「利率は10年間固定金利の1.17%」

松戸市として、今後10年間の利息収入は総額で約4700万円となる見込みです。

これが、これまで通りの銀行定期預金の利率で換算した場合、2024年当時の金利0.125%であれば年間50万、10年で500万円です。
これまでの運用益と比較しても、大変大きな成果が見込めます。

ちなみに、松戸市が4億円分購入した千葉県債は、普通道路・街路事業、河川海岸港湾事業、社会福祉施設等の整備を進めるために使用されます。

私としては今後、他に投資するのであれば使用用途を社会課題や環境課題に特化したESG債(SDGs債)にするべきと考えます。

ですから私としても2024年に議会でこのこと提案しました。

社会課題・環境課題に積極的に取り組むうえですべての産業に結びつく金融市場の存在がかかせないからです。

松戸市の財政を安定させるうえで債券を活用すること。
その債券も上昇傾向にある社会課題・環境課題に特化したESG債にすべきであるということ。

この考えを両輪にすることで持続可能な社会に近づくものと考えています。

当時の議会でのやりとり

芦田からの質問

質問事項1.環境施策について
質問要旨(1)グリーンファイナンスについてお伺いします。

令和6年3月、日銀は金融政策会合にてマイナス金利政策を解除しました。
その後、政府は骨太方針2024に基づき物価上昇を上回る賃金上昇の実現や官民連携投資による社会課題解決と生産性向上に取り組んできました。

そのなか内閣府が8月29日に発表した月例経済報告では、景気についてそれまでの「このところ足踏みもみられるが」から、上方修正し「景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」との判断を示しました。

同時期、本市としても基金を活用した債権運用を開始したことを発表しました。
これまでの議会の議事録をみたところ、常任委員会提言などの意向をくみ取ったものとまずは評価いたします。

そこで今回はこの金融市場に目を向けて質問をいたします。

経済の発展に金融市場の存在はかかせません。
とはいえ、従来、金融市場は利益追求のみに走る傾向にありました。
転機が訪れたのは、2008年のリーマンショックです。
アメリカのサブプライムローンの破綻に端を発した金融活動の不健全さによって世界的な景気後退を招く事態となりました。

このような金融活動の不健全さが実体経済にまで影響を与えた深い反省から、その健全性が大きく議論されるようになります。

そこに加え、2015年 国連気候変動会議COP21パリ協定によってカーボンプライシングなどといった経済的取り組みが示され、民間金融機関もG20の要請を受け、気候関連財務情報開示タスクフォースを設置しました。

さらに、気候変動が金融機関にとって大きなリスクとなっている事が認識されます。
それは世界中でおこる異常気象の増大によって、保険会社の支払いが多額にのぼり、業界を圧迫したことです。

あらゆる産業に結びつく金融機関が温暖化ガス排出削減に取り組むことは、全ての産業に影響を与えます。

つまり気候変動問題は経済問題であり、脱炭素経済に移行するためには、金融機関を巻き込む必要があるといえます。

このような経緯から、環境負荷に配慮した事業に資金使途を限定した債権である、グリーンボンド市場が成長しており、国内においても発行する自治体が増加しています。

このようなグリーンファイナンス市場の適切な発展は脱炭素社会の実現のために重要な位置づけにあると考えます。

そこで質問します。まずは、本市が本年7月に購入した債権の中身について詳細をお伺いします。

また今後の展望として本市もグリーンボンド等SDGs債を購入することでグリーンファイナンス市場の適切な発展に寄与すると考えますが見解をお示しください。

合わせて、新拠点ゾーン等、大型開発を控えている本市としてSDGs債の発行体となることについて、考えられるメリットとデメリットをお伺いします。 

財務部長からの回答

質問事項1
質問要旨(1)グリーンファイナンスについてご答弁申し上げます。

平成30年3月定例会において、総務財務常任委員会委員長から、財源のあり方にかかわるものとして、債券による運用を頂いたところです。

その後、庁内の関係各課と調査・研究を経て、本年7月に、資金運用としては、本市初となる債券の購入を実施したところでございます。

同債券の詳細についてですが、千葉県発行の市場公募債となり、年限10年間、発行額200億円、利率は、10年間固定金利の1.17%でございました。

また、資金の使途につきましては、普通道路・街路事業、河川海岸港湾事業、社会福祉施設等の整備を進めるために、一般的な債券として発行されたものとなります。

なお、発行額200億円のうち、本市におきましては、財政調整基金を原資に総額4億円の投資を実施したことで、今後10年間の利息収入は、総額で約4千7百万円となる見込みでございます。


次に、SDGs債の状況でございますが、環境認証を取得した庁舎の新築・改築、公共施設のLED化などの環境問題の解決に資する事業や、施設のバリアフリー化、介護保健施設等の整備など、社会的課題の解決に資する事業等に活用するものとして、発行されるものとなります。

また、近年、SDGs債の発行を進める都道府県や政令指定都市が増加する中で、同債券を積極的に購入したうえで、SDGsの達成に向けた取り組み等を対外的に公表する動きが全国的に広まってきているところでございます。

一方で、SDGs債に限らず、市独自で市場公募債を発行した場合におきましては、平均利率が高くなる可能性があること、また、発行総額に対し、投資額が満たない場合については、事業を円滑に進めることが困難になること、さらには、発行する債券ごとに複数の投資家が存在するため、配当金の計算などを実施するための管理体制の構築が必要であることも認識しているところでございます。


本市は、令和4年5月に内閣府から「SDGs未来都市」に選定されており、SDGs債を活用することにつきましては、環境問題や社会問題への解決など、SDGsの達成に資する取り組みとして、大変重要な位置づけにあるものと考えておりますことから、SDGs債の活用につきましても、1つの選択肢として検討して参ります。

以上、ご答弁とさせていただきます。

芦田からのコメント

本市がSDGs債の発行体となることについて課題がよくわかりました。
時期尚早であるようです。

とはいえ、今後、脱炭素社会に向かうなかで、市場経済もグリーントランスフォーメーションがますます活発になるものと考えます。

グリーントランスフォーメーションとは決して経済活動を制約するものではなく、むしろ発展させるものであり、言い方を変えると、成長分野といえます。

本市としても、この成長分野であるグリーン市場、またサステナブル市場への参加を期待しています。

いずれにしても「金利のない世界」から「金利のある世界」に移ります。答弁では、4億円の債券運用によって今後10年間で総額4千7百万の利息収入を見込めることがわかりました。

これと同じ4億円を銀行の定期預金の利率で換算した場合、金利0.125%であれば年間50万、10年で500万円です。

これまでの運用益と比較しても、大変大きな成果が見込めます。

引き続き着実な資金運用をお願いします。