公明党松戸市議会議員
あしだ 満春

裁量労働制について考察

2026.05.01

先日参加したメーデー中央大会。
最も耳目を集めたのが、連合の芳野友子会長の発言です。
裁量労働制について言及し、はっきりと不要であるとのことでした。
それも来賓として出席した高市総理の目の前で。

経団連の提言をもとに政府は裁量労働制の見直しを検討するとしています。
このことで企業側と労働組合側とではっきりと意見が相違したことになりました。

では、裁量労働制って一体どういった制度なのでしょうか。
私も改めてその制度について調べました。
どうも「専門業務型」と「企画業務型」の2種あるようです。

※以下、労働法[新版]雇用関係編 (平成29年4月1日 著者:岡部史信 発行所 :創価大学通信教育部 印刷所: 精興社)を基に構成します

専門業務型


【定義】
一定の専門的業務に従事する労働者に対して、その業務の遂行方法や時間配分などについて使用者が具体的な指示を出さず、その労働者に大幅な裁量権を認めることで、実際に従事した時間にかかわらず、一定の時間労働したものとみなす制度。

【採用手続】
使用者は、事業場協定を締結してする必要があります。
協定のなかに盛り込む内容は次のとおりです。

  1. 厚労省令で定める対象業務のなかから労働者に担当させる業務と1日当たりのみなし時間数の特定

  2. その業務の遂行手段や時間配分などについて具体的な指示をしないことの明示

  3. 時間の算定について事業場協定によることの確認

  4. 労働者の健康や福祉を確保するための措置

  5. 労働者からの苦情処理に関する措置を講じる旨を明記

【対象業務】

①新製品・新技術研究開発、人文・自然科学研究

②情報処理システム分析・設計

③新聞・出版・放送における取材・編集

④衣服・室内装飾・工業製品・広告デザインの考案

⑤放送番組・映画プロデューサー・ディレクター

⑥コピーライター

⑦情報処理システムコンサルタント

⑧建築物内のインテリアコーディネーター

⑨ゲームソフトウェア創作業務

⑩証券アナリスト

⑪金融商品の開発業務

⑫大学での研究業務

⑬M&Aアドバイザー

⑭公認会計士

⑮弁護士

⑯建築士(一級、二級、木造建築士)

⑰不動産鑑定士

⑱弁理士

⑲税理士

⑳中小企業診断士


なお、みなし労働時間数が法定労働時間を超える場合には三六協定の締結が別途必要になります。

企画業務型


【定義】
先の専門業務型のような特別な専門的技能を有していることは必要ではないですが、ある業務の中枢的な運営のための企画・立案・調査・分析の業務で自律的に従事する者に対して、実際の労働時間数にかかわらず、一定の時間就労したことを認める制度です。

【対象業務】
対象業務が存在する全ての事業場で導入することができます

【採用手続】
使用者が一方的に決めることは許されていません。
労働者の同意が要件となります。
労使委員会を恒常的に設置し、委員会の決議は委員の4/5以上の多数によって行われ、使用者はその決議を労基署長に届け出なければなりません。

経団連の言い分?


インターネットで公開されている経団連からのプレゼン資料を見る限り、今後生産年齢人口が減少するなかで生産性をあげるために裁量労働制の基準を緩和することが望ましいとの旨が書かれていました。
労働者側もにとっても、労働時間の短縮につながるとメリットも強調されていました。

労働組合としては?


一方、労働組合としては裁量労働制によって労働時間が長時間になってしまうリスクを心配しています。
そもそも5月1日のメーデーが始まった理由は連合のホームページこう掲載されています。

5月1日のメーデー(May Day)は、古くからヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」とされ祝日とされてきました。
一方で、低賃金と長時間労働に苦しめられていた米国の労働者がゼネラルストライキ(全国的な規模で行われる労働争議)を行ったのが1886年の5月1日で、彼らは翌年以降も5月1日にゼネストを実施。この動きが世界の労働組合に広まり、1890年5月1日に第1回国際メーデーが多くの国で開催されました。これが今に続く「労働者の祭典」としてのメーデーの起源となったのです。


生産性を向上させることは日本の将来にとっても必要なこととは思いますが、ひとがあってこその企業。ひとがあってこその経済活動です。
改正案の実態がどのようなものか今後、私としても注視していきたいと思います。