公明党松戸市議会議員
あしだ 満春

国旗損壊罪について少し考察

2026.04.30

憲法記念日も近づいていることから、少し憲法について考察したいと思います。

日本国憲法21条 
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

この条文は表現の自由として、基本的人権のなかでも最も重視されている権利のひとつです。

表現の自由といっても、問題となるのは、どこまで表現していいかということです。
誹謗などによって他人の社会的評価を低下させた場合、刑法230条名誉毀損罪にもとづき争われるケースもあります。
私もSNSでよく悪口を言われることがありますが、それが事実に基づかないものであれば名誉毀損で訴えることもできるわけです。

このように名誉毀損罪の場合は、誹謗された人物が訴えを提起しなければ罪に問うことはできませんが、訴えを提起することを要件に、罪に問えるかどうかになります。
このように被害者からの告訴がないと提訴できないものを親告罪といいます。

さて少し話しは変わりますが、2014年に産経新聞のソウル支局長が、韓国の大統領を誹謗したとして、韓国の検察当局に捕まり起訴された事件がありました。

このとき誹謗された大統領自身から訴えを提起したわけでなく、検察当局の判断で起訴されました。

隣国の制度の話しですので、良し悪しについて論じるつもりはありませんが、権力側に対しての誹謗(名誉毀損)が、検察当局の判断だけで起訴できることに、当時の私としても衝撃を受けました。

かつての日本でも戦前にはそのような法律があったことを思い出したからです。

なぜこのような話しをしているのかというと、国旗損壊罪について与党で議論されているからです。
現在、日本の法律において外国の国旗を損壊した場合について罰する規定はありますが、日本の国旗を損壊した場合に罰する規定はありません。

そのうえで刑法92条を見てみたいと思います。

刑法92条

1.外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する。

2.前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。

ご覧の通り、仮に損壊したとしても、そのことを外国政府が請求することを要件としています。
そのことから、ここでの保護法益は日本と外国との外交関係を守るためと考えられます。

法律には誰かを守るため、何をかを守るための保護法益が必ずあります。

では日本の国旗を損壊した場合はどうでしょうか。
憲法21条で認められている表現の自由。
名誉毀損などで誰かを守るのであればその自由に一定の制限があってもやむを得ないと思います。
でも日本の国旗を損壊することについて、誰からの提訴もなしに、検察当局の判断で起訴できるとすると、そのことによって守ろうとしていることは一体何なのでしょうか。日本国政府を守るということなのでしょうか。

先ほど事例にあげた韓国大統領の話し。
この話し、私たちの住む日本にとっても他人ごとにしてはいけないものと考えます。