競争すべき領域と協力すべき領域
私自身、経済発展によって社会も家庭も潤うことから、経済への大胆な政策を推進すべきと考えております。
そのうえで、市場原理にまかせて競争すべき領域と、そうでなく協力すべき領域があるのではということをみなさんと考えて行きたいと思います。
財政学者で東京大学名誉教授の神野直彦さんは次のように指摘します。
「自分で働いて、自分で稼いで、全て”自己責任”で生きろ」とは新自由主義。
全てを市場にゆだねることで社会が最適化されると考えます。
では赤ちゃんはどうしたらいいでしょうか。
働くことはできません。
病気や障がいもそうです。
高齢で働けない人もそうです。
誰もがなりうることです。
だからこそ、こうした人たちを守る「最後の砦」が、家庭や地域の共同体であり、
人は命を守る「市場原理を通用させない領域」を知恵によって築いてきた
と神野さんは指摘します。
さらに、
市場経済が肥大化することで、本来、市場原理を適用してはいけない「教育」「医療」「介護」にも競争原理が入り込み、助け合いに基づく人間の絆が、利潤や効率で測られるようになってしまった。
競争すべき領域と協力すべき領域の境界線があいまいになって、絆が切り裂かれてしまい、協力出来ない社会になってしまえば、人類はもはやどんな課題にも立ち向かうことができない
と、警鐘を鳴らします。
社会保障のありかた
いまは共同体の機能が弱まっているといわれます。
だからこそ、国や地方自治体が、共同体とチカラを合せて協力すべき領域を守る必要があると私としては考えます。
今、多くの政党が物価高騰対策として減税あるいは社会保障の負担軽減をうたっています。
でも少し違和感があります。
物価高騰に必要なのは賃上げです。
また社会保障の額を減らすとどうなるのか。
冒頭の神野さんの言葉を借りると、社会保障の分野にまで競争原理が入り込み、結果「全て"自己責任"で生きろ」ということになります。
実際に自己責任型のアメリカではオバマケア以前は公的保険がなく民間の保険しかないため貧富の格差が社会問題となりました。
トランポリン型社会保障
当然、現在の社会保障の在り方でいいのかというと、経済構造も変わるなかで少しその在り方を変えてもいいのではと感じます。
ヨーロッパの国々では、経済構造の変化で失業した人が、新しい成長分野に移れるように支援する仕組みをつくっているそうです。
例えば、鉄鋼業で働いていた人がITなど新しい分野に転職できるような制度です。
その土台となる考え方が「セーフティネット」ではなく「トランポリン型」の社会保障制度とのこと。
失業や産業の転換で一度落ちたとしても、再び跳ね上がって前向きな未来で飛び出していけるチカラを与える。
それこそが社会の役割との考え方です。
このような社会いかがでしょうか。
これからもみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
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