松戸市もこども読書支援プロジェクトを!
2025.02.12
先月、伊勢市さんに訪問し「こども読書支援プロジェクト」の事業詳細を伺う機会をいただきました。
そこで今回のブログではこの事業の優れたところを紹介したいと思います。
とてもいい事業です。
ぜひ読んでください。
伊勢市「こども読書支援プロジェクト」
―事業をはじめた経緯―
図書館の利用率は市民の2割といわれています。また文部科学省の調べでも公共図書館の利用登録者は33.5%という数値です。
このことは研究者のなかでも多く扱われており、三重大学での調査結果によると図書館を頻繁に利用する者は14%程度であることがわかっています。
この問題は施設の問題なのか、それとも市民の問題なのかが問われているのです。
つまり2割の人しか「使わない」施設なのか、それとも2割の市民にしか「有効に使えない状況」なのかを考えなければなりません。
この問題、伊勢市さんでは図書館を有効活用できる市民を育てる事業が必要と考えたといいます。
とはいえ市内公共図書館2館、13分室あるようですが、この施設を活用して現在利用していない8割の市民を育てることは不可能に近いですよね。
そこで、小中学校全てにある学校図書館に着目したそうです。
学校図書館はこどもら全員が利用者となりえます。
未来の図書館利用者たる、こどもたちを育むため「こども読書支援プロジェクト」を開始したとのことでした。
―新規事業の内容―
令和6年度に開始した本事業において先ずは事業主体である社会教育課のスタッフを充実させることから開始したそうです。
実際に動く方は、これまで長野県高森町で、同様の事業を手がけた宮澤優子さん。
また教育現場への架け橋として実際に学校長を経験した西村朱美さんを招き事業を開始しました。
新規事業のため先ずはモデル校を選定。小学校22校、中学校10校のうち公募によって3校指定。
具体的にはこれまで学校図書館司書は週1日各学校で対応していたものを、モデル校では週3日にし、図書館司書と教員の連携を強化しました。
―そもそも学校図書館とは―
学校図書館法2条で必置となっている学校図書館。
その機能は大きく3つあり①読書センター②学習センター③情報センターの機能が備わっているとのことです。
①読書センター
読書センター機能とは自由な読書活動、読書案内、読書指導を指すそうです。
多くの大人がイメージする学校図書館とは学校図書室のことであるいわれています。
本がならんで、読書案内などの掲示物があるものをイメージしますよね。
見落としがちなのが読書指導であり、ひとそれぞれによって本の読み方が違うことを意識し、本が読むための指導が必要だそうです。
年代など人それぞれによって読書のイメージ(意識)も違いますよね。
本来、図鑑も漫画も電子も新聞も全て読書に含まれなければならないとのことでした。
趣味的読書から実用的読書(情報収集型、情報活用型)まで多様な読書があることを知る必要があるようです。
また読書センターに必要な観点は十分なスキルと十分な環境をこどもに与えることにあるそう。
十分なスキルを得たこどもは学校図書館にない一般書も読むことが可能となります。
学校図書館の先に公共図書館があり、このことから学校図書館と公共図書館が連携することが必要とされます。
②学習センター
学習センター機能とは教育活動に必要な資料情報を準備する機能です。
実際の教育現場では、この機能があまり知られてないのが実状。
教師がそれぞれ準備することが多いのですが、本来は学校図書館が有する機能によって迅速で確実な内容、十分な分量の資料・情報を提供することが可能となるそうです。
この機能を十分に発揮し、必要な資料・情報の「情報」を授業者と図書館(公共図書館・学校図書館)で共有することが重要です。
③情報センター
情報センター機能とは情報活用能力を授けることとのこと。
そのため情報活用能力指導や児童生徒の成果物の収集と活用を行うそうです。
アナログにもデジタルにも対応した能力を育成することが求められ、なんでも調べられ、知ることができる情報活用能力を授けます。
また自分の課題を自分で解決していく力を育てることにもつながります。
―事業で期待されること―
前述の3つの機能を備えて学校図書館となりますが、残念ながら多くの現場ではその機能全てについて知られていないようです。
本来有するこの学校図書館機能は、最大限に活用することによって教員・子どもそれぞれに有効なものとなります。
つまり図書館司書の配置を厚くし学校との連携を密にすることで、より学習に関する効果が期待されるのです。
また学校図書館と公共図書館が連携することでその幅と奥行きが生まれます。
その延長線上に、学校図書館で読書に親しんだこどもたちが成人となり、やがては公共図書館を利用する市民となることが期待されます。
そのことによって生涯学習の一環として社会教育となり、10年20年先を見据えた事業になります。
松戸市ではどうでしょうか?
ということで伊勢市さんの「こども読書支援プロジェクト」は将来を見据えた大事な事業であることがわかりました。
このような情熱的な事業をぜひ、わたしどもの市にも取り入れたいと思うのは私だけでしょうか。
この事業のよさは、きっともっと多くの市民のみなさんが共感していただけるのではないかと思います。
松戸市も図書館整備を検討しています。
図書館を整備するのと同時に、図書館を利用する市民を増やすことで生涯学習につながるのではないかと思いました。
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