公明党松戸市議会議員
あしだ 満春

R5松戸市の事業成果は?

2024.09.29

松戸市から令和5年度の決算に関する説明書を受け取ってから30日間、私たち公明党10名でその具体的な内容を確認しながら慎重に審査をしました。
その評価理由を議会最終日の9/26に壇上で説明しました。
内容全文掲載します。

公明党を代表しての討論

本定例会に上程された認定第1号から第12号まで12件の決算認定について、会派を代表し賛成の立場から討論を行ないます。

令和5年度は、新型コロナウィルス感染症の位置づけが5類に移行し、社会経済活動の正常化がすすみつつある一方で、世界的なエネルギー価格、物価の高騰などにより、市民生活や事業活動に大きな影響を及ぼす一年となりました。

そのなかで私ども公明党は、物価高から市民生活を守り抜くため、国・県とのネットワークを生かしながら地方創生臨時交付金の活用を含め、さまざまな政策提言を行なって参りました。

本市としても必要な事業には躊躇なく取り組むなど、機動的な財政運営を行なってきたものと、まずは評価いたします。

さて今回の決算審査で私ども公明党は、国と地方のネットワークを持つ政党として2022年に発表したマニフェストをもとに3つの視点から審査を行ないました。

1つめの視点は「経済の成長と雇用・所得の拡大」です。

格差や貧困の拡大、深刻な気候変動問題など資本主義の課題を是正し、市民が幸福を実感できるようにするためです。

2つめの視点は「国際社会の平和と安定」です。

戦争や核兵器のない世界の実現に向けて、SDGsの達成などグローバルな課題に対し取り組む必要があるからです。

3つめの視点は「誰もが安心して暮らせる社会」です。

超高齢化・人口減少が本格化する2040年に向けて現行の社会保障制度の持続可能性を高めるため、皆で支え合う全世代型社会保障の構築を進めるためです。

それでは、ここからは個別の事業を通し、賛成にいたるまでの理由を述べさせていただきます。

経済の成長と雇用・所得の拡大の視点

1つめ「経済の成長と雇用・所得の拡大」の視点からです。

経済の成長

企業誘致事業、産業用地創出に係わる調査では、北千葉道路沿道周辺エリアを見込むものであることがわかりました。この事業は市内経済の活性化に極めて大きなインパクトをもたらすものと考えます。

隣の柏市では国立がん研究センターや東京大学柏の葉キャンパスを中心にバイオベンチャーの創出など国を牽引する動きを見せています。

本市はというと、ちょうど決算審査特別委員会が開催されている期間中に、民放テレビ局で千葉県の隠れたスター企業という番組が放送されました。番組では松戸市にあるモーターを製造する企業が世界シェア80%ということを紹介。

またスポーツ用器具を製造する企業がパリオリンピックでバレーボール競技のネットなどを提供していることが放送されました。

なぜ松戸市にこのような世界的な企業があるのかというと、立地におけるポテンシャルがあるからです。

今後、北千葉道路によって益々この地の重要性が増します。なぜなら北千葉道路は日本の産業にとっても、国際競争力を強化する重要な道路だからです。

本市においても、研究開発拠点やデータセンターなど世界を牽引するような企業誘致への動き

期待しております。

経済の成長に資する事業として特別会計のうち相模台地区土地区画整備事業、新松戸東側地区土地区画整備事業も またしかりです。

十分な取り組みお願いします。

雇用・所得の拡大

このように経済成長の土台を作る一方で、雇用・所得の拡大に取り組まなければなりません。

特に性別や年齢、家族構成など差別なく、各人の経験や能力を生かすことで、働ける環境をつくる必要があります。

その観点から まつど女性就労、両立支援相談事業では、相談者一人ひとりに寄り添い、個々の状況や希望に添った就労、家庭生活との両立を目指した相談支援によって、利用件数371件、うち44名が就職につながったとのことでした。

また雇用促進事業、若者就労支援業務のうちキャリア開発プログラムにおいては研修などに延べ2627名が参加、非正規雇用を含む就職者は136名。

就職氷河期世代キャリア支援プログラムでは個別相談を36名、セミナーには延べ136名が参加、

これらを経て就職マッチングイベントに62名が参加。うち14名が就職したとのことでした。

現役世代だけはありません。未来を担うこどもたちのために、教育費では、Society5.0社会を生き抜くための教育環境を整えていくとのことがわかりました。

いずれもきめ細やかな対応に感謝いたします。

市税収入は

これらは「経済の成長と雇用・所得の拡大」との視点からどうであったのか。

市税収入で判断しました。

個人市民税、令和4年度より約7億7300万円の増額。

要因は給与所得者の平均年収の増加と納税義務者の増加です。

また固定資産税、令和4年度より約4億852万の増額。

要因は家屋の新増築です。

結果、市税収入は令和5年度728億2,608万円と令和4年度よりも10億7090万増額と過去最大となりました。

今後も積極的な賃金上昇の状況から、来年度以降も基幹税目を中心に増加が予想されることも委員会質疑のなかでわかりました。

このことから本市が行なってきた事業によって、コロナ禍を経た「経済の成長と雇用・所得の拡大」を今後も見込めるものと判断いたします。

とはいえ市税収入が増加する一方で経常的経費が扶助費を中心に年々増加しているのも事実です。

これまで以上に財務体制の安定性を維持しつつ、本市の将来の発展に資する事業に対し適切な投資が必要です。

本市においても、令和7年度予算編成方針で「税収増につながるような投資効果の高い事業に対しては優先的・重点的に予算を配分する」とし「枠配分方式」を導入するとのことです。

自主性を確保した予算編成を大いに期待しております。

国際社会の平和と安定

2つめ「国際社会の平和と安定」との視点からです。

気候変動問題に対して

令和4年2月にゼロカーボンシティ宣言をした本市にとって令和5年度は事実上脱炭素に向けて動き始める重要な年でした。

そのなかで開催された「松戸市環境未来会議」では無作為に抽出された市民で構成され市民みずから行なうべき取り組み「市民行動プラン」をとりまとめました。

このような方法は、シチズンズアッセンブリーとも、ミニパブリックスとも呼ばれており、フランスでは市民会議から大統領に対して政策提言。なかには法律化されたものもあります。

松戸市環境未来会議の行動プランを理念的なもので終わらせるのでなく、実効性あるものにすることも必要と考えます。

SDGsへの取り組み

SDGs達成のためには広く市民・事業者の協力が必要です。

そうしたことから地方創生SDGs推進事業「キャラバンメンバーシップ制度」を令和5年8月から開始し、意を同じくする企業・団体などが、この1年で102者にまでのぼったとのことでした。小さな企業・団体でも取り組みやすい工夫をし、裾野を広げていただきたいと思います。

平和事業について

平和事業については、本市の平和事業その原資となる平和基金について確認しました。本事業への活用を開始した当初、1億円あった基金も半分を切っております。

基金を積むことに対し、委員会審査では、状況を見極めながら検討するとのことですが、今すぐに積む検討を現時点ではしていないとのことでした。

このことについては、あえて一言申しあげます。

ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のメリッサ・パーク事務局長が、核兵器とSDGsの関係を次のように指摘しています。

「核兵器の問題は環境、健康、人権、開発など、さまざまな分野と相互に関連しており、国際社会が取り組んできたSDGsの成果を根底から損なうという点からも廃絶が不可欠である」との指摘です。

つまりいずれの事業も根底に平和があることが大前提になります。

本市が、恒久平和を願い活動していることは充分に承知しています。その活動が停まることのないよう基金を積むことなど、原資について速やかに検討していただくことを条件に「国際社会の平和と安定」に資するものと評価いたします。

誰もが安心して暮らせる社会
全世代型社会保障の構築へ

3つめ「誰もが安心して暮らせる社会」との視点です。

私たち公明党は令和4年11月「子育て応援トータルプラン」などで政府に提唱し実現したモデル事業のひとつが「こども誰でも通園制度」です。本市も国のモデル事業として公立保育所3ヶ所で未就園児を預けることのできる事業を実施しました。昨年8月には私ども公明党の衆議院議員と市議会議員数名で保育園を視察したところです。今後の事業拡大に期待しています。

その他にも制度の狭間にあり、どこに相談すればいいのか。そのために福祉まるごと相談窓口がありますが、重層的支援体制整備事業、アウトリーチ業務では、令和5年度から電話や来所のみでなく、必要に応じてご自宅に赴き、きめ細やかな対応を行なっているとのことでした。

また本庁舎以外、市内3箇所にも相談員を配置し相談しやすい環境も整えていることを確認しました。

この事業を知らない市民もまだまだいます。今後も周知を行い、各課が連携を密に対応お願いいたします。

いずれにしても行政サービスが多様化する一方で生産年齢人口の減少から、本市としても限られた行政資源でサービスを実施する必要があります。

そのような観点からも、全庁業務量調査と、デジタル化推進事業を確認しました。

限られた行政資源という課題に対応するためにも、不断の業務改善を行なわなければなりません。なかでもデジタル技術の導入は本市としても効果的と考えます。

直近では書かない窓口の導入へと動いていただいていますが、さらに踏み込んで、デジタル化による365日24時間対応のオンライン申請を基本とし、ワンストップさらにはワンストップオンリーを進め、申請主義から申請なしに届ける「プッシュ型」への転換を望むものであります。

次に特別会計、企業会計についてです。

介護保険特別会計においては、松戸プロジェクトや、ビッグデータを活用した科学的根拠に基づき効果的な介護予防施策をすすめていることがわかりました。

病院事業特別会計においては、純損失額が

32億6千万の赤字となり、近年のなかで最高額となっていることにはやはり懸念があります。

その一方で、新型コロナや、東松戸病院の閉院の影響があるなか、これまで最高額であった令和4年度の医業収益と比較し12億700万の増収であったこと。

また一般会計からの損失を補填するための繰出金も、総合医療センターが新病院に新築移転した翌年度の平成30年以降はないことなど、厳しい状況のなかで奮闘されていること私どもは評価しております。

東葛北部の基幹病院として、また市民の命を守る病院として、今後ともご尽力お願いいたします。

以上のように、それぞれが「誰もが安心して暮らせる社会」につながったのか、

また全世代型社会保障の構築に資するものであったのかを審査し妥当であると判断しました。

創造的福祉社会
ベーシック・サービスを!

なお今後、この3つめの視点を私どもは特に重視していくことを、ここで申し述べておきます。

今から60年前1964年、公明党は大衆福祉を高らかに掲げ出発しました。その大衆福祉とは、狭義の福祉論とは異なり、全ての人々の幸福を実現するための普遍主義的な社会改革を志向するものです。

近年、国政で大きな柱となった全世代型社会保障とは、まさにわが党の主張が政治の主流になった証しといえます。

現在、日本は少子高齢化と人口減少により国の存立が揺るがされかねない深刻な状況にあります。
この重要な時期において医療や介護、福祉、教育など人間が生きていくうえで不可欠な公的サービスに誰もがアクセスできる権利、いわゆるベーシック・サービスを踏まえた取り組みが必要であると考えます。

今後本市の施策においても、これらを念頭に様々な角度から政策提言していくことをご承知おきください。

以上、本定例会に上程された認定第1号から第12号まで妥当であると判断し賛成いたします。

結びに

令和5年度を評価しましたが、まだまだ多くの政治課題があります。
これからも私たち公明党は市民の皆さまの声を聴き、制度に隙間があればその対策を考え提案していきます。