公明党松戸市議会議員
あしだ 満春

マイナ保険証は医療DXの入口

2024.09.03

実際にマイナ保険証って役に立つの?との疑問から、9月3日、松戸市議会で取り上げました「マイナンバーカードと医療DX(デジタルトランスフォーメーション)について」

以下原文を掲載します。

質問「マイナンバーカードと医療DXについて」

従来の健康保険証の新規発行は本年12月2日で終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行します。マイナ保険証には様々なメリットがあるといわれています。

デジタル庁が作成した動画「正確な情報で患者を守るマイナ保険証」のなかで、「はとり内科循環器クリニック」の羽鳥院長は、マイナ保険証があれば正確な情報を知ることができ最善の医療を受ける一要因になると話しています。

その内容を少し紹介します。

患者さんの情報というのはとても大事です。たとえば腹痛の方で将来、内視鏡をやらなきゃいけないというような時に胃の鎮痛剤を使うことがありますが、緑内障をもっていらっしゃる方、前立腺肥大症の方、そのような場合、失明したり、尿閉などの副作用が出てしまうことがあります。

患者さんを診る時、投与してはいけない薬。それから処置方法は常に注意していますが、マイナ保険証による情報はその助けの一つになる。

とのことです。院長はさらに「従来の健康保険証の課題」についても説明しています。

要約すると、従来の健康保険証の場合、患者は自身の記憶で問診票に記載し、医師に申告します。しかし、全ての患者が自身の病気や、飲んでいる薬のことを把握しているわけではありません。

特に内科では、風邪で来院したのだから風邪薬を出してくれればいいというスタンスで来られる方もいるそうです。ところが、高血圧・糖尿病・脂質異常・あるいはリューマチなどで、かなり強い薬を使っている場合もあるため、その情報がないと適切な風邪薬も処方できないとのことです。

だからこそ正確な情報で患者を守るのがマイナ保険証のメリットであると院長は言います。

メリットはこれだけではありません。

東京慈恵会医科大学附属病院では、マイナ保険証を活用することで患者の待ち時間を短縮することができたとのことです。

従来の方法は、初診の患者から保険証を預かり、手作業で情報を登録し、間違いがないよう目視で確認という流れで受付をおこなっていたため、登録に時間がかかっていたそうです。しかし、マイナ保険証は自動で入力される情報が多いため、入力の手間や確認の手間も減り診察までの待ち時間が短縮されたとのことでした。

他にも、高額な医療費が発生する場合でも、マイナ保険証であれば、診療機関の窓口で一時的に自己負担することや、役所で申請手続きする必要もなくなります。

このようにマイナ保険証は患者・医療現場それぞれにメリットがあります。さらに電子処方箋や電子カルテの普及など、日本の医療DXを進めるうえで重要なベースとなっていきます。

ところが、周知がうまくいってないのか、いまだ健康保険証としての利用率が全国的にも低いといわれています。

そこで質問します。

(ア) 

本市における国民健康保険のマイナンバーカードの健康保険証としての利用率をお示しください。

(イ)

厚生労働省が推奨するマイナ保険証の顔認証付きカードリーダーについて、市内医療機関・薬局それぞれの設置状況をお示しください。

(ウ) 

厚生労働省が「マイナンバーカードの健康保険証利用の促進に向けたご協力のお願いについて」という事務連絡を自治体向けに発出しました。

文書には、同省が用意した利用促進に向けた動画やポスターなどサポートメニューの案内が掲載されています。本市においてもこれら素材を活用しながら広報活動を推進し、住民に正しい情報を発信する必要があると考えますが、見解をお示しください

(エ)

救急搬送時に救急隊がマイナンバーカードを活用するマイナ救急の取組みも全国で進められています。本市でも先行して行なうことになっていますが、この事業の期待する効果をお示しください。

松戸市からの回答

(健康医療部長)

はじめに、「ア 本市におけるマイナ保険証の利用率について」でございますが、厚生労働省より保険者に提供される、本市の国民健康保険におけるマイナ保険証の利用率は、令和6年7月末時点の速報値で、11.98パーセントとなっております。

次に、「イ 市内医療機関・薬局におけるマイナ保険証の利用について」でございますが、厚生労働省のホームページにて公表されているデータによりますと令和6年8月18日現在でマイナ保険証利用が可能である医療機関は465施設、薬局は187施設となっております。

最後に、「ウ マイナ保険証の利用促進について」でございますが、利用促進に向けた動画やポスターなどの、サポートメニューの活用につきましては、議員ご案内のとおり、令和6年7月に、厚生労働省よりご案内あったところでございます。

 本市といたしましては、令和6年12月2日以降に、現行保険証の新規発行が終了となる状況を踏まえ、先の6月定例会にて可決いただきました、補正予算の内容に基づき、加入者が安心してマイナ保険証を利用できるよう、9月下旬に「個人番号のお知らせ」と合わせて「現行保険証の発行廃止に係るリーフレット」を送付するとともに、厚生労働省が提供するサポートメニューを活用し、市ホームページや窓口にて周知等に努めてまいります。

以上、ご答弁とさせて頂きます。


(消防局長)

質問要旨(1)のエについてご答弁申し上げます。

消防局では、総務省消防庁が実施する、健康保険証利用登録済マイナンバーカードを救急活動において活用する実証事業に、令和6年8月9日から約2か月の予定で参画しており、中央消防署、小金消防署、五香消防署の救急隊3隊で現在実施中でございます。

この事業は、全国67消防本部660隊で実施され、千葉県内では、松戸市のほかに成田市も参画しております。

本市の救急出場件数は、令和3年以降増加傾向にあり、救急現場や医療機関への到着時間が延びる懸念が生じております。

消防局といたしましては、救急活動において、傷病者の観察等を実施する隊員と、マイナンバーカードを活用して情報収集を行う隊員の役割を分担することで、マイナンバーカードから得られる受診歴、診療・薬剤実績などの情報と、症状や観察結果を総合的に判断し、傷病者に適切な搬送先医療機関の選定が可能となり、救急活動の迅速化・円滑化が図られるものと期待しております。

以上、答弁とさせていただきます。

私から次の通り要望しました

質問の要旨(1)マイナンバーカードと医療DXについてですが、

7月末時点の本市国保マイナ保険証利用率は11.98%とのことでした。

5月時点での利用率が8.48%だったことから3.5%上昇ということになります。

果たしてこのペースでいいものなのでしょうか。

先日、私の知人が医療機関でマイナ保険証ではなく従来の健康保険証を使用していたので、なぜマイナ保険証を使用しないのですか?

と聞いたところ、カードの写真写りがあまりよくないからとの答えでした。本人もそのような他愛もない理由ですとおっしゃっていましたが、実際のところ、ポリシーを持って使用しないというよりも、マイナ保険証による恩恵がどのようなものなのか、その周知が上手くいっていないから従来の保険証と同じと考える方が少なくないのかもしれません。

そこで周知の方法も市だけではなく医療機関等との連携もひとつの方法と考えます。いただいた答弁では、カードリーダーを設置している医療機関が465施設、薬局187施設とのことでした。

ホームページ健康医療都市まつどに掲載されているまつど医療機関マップに掲載された医療機関は524、薬局は192。

この数を分母にすると、設置した医療機関は88%、薬局は97%とかなり高い設置率となります。

本市としても、医療機関・薬局と連携し住民に正しい情報を発信していただいてもいいのではないでしょうか。

再三申しあげているとおり、マイナ保険証は、利用それ自体が目的ではなく、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の入口ということを先ずは私たちや職員の皆さまが認識することが必要です。

その一例として、消防局が実施するマイナ救急事業では、マイナンバーカードから得られる情報によって、救急活動の迅速化が期待されるとのご答弁でした。

このようにマイナ保険証の活用は救急現場をはじめ、多岐にわたり利用者に対して様々な恩恵をもたらすものとなります。

経済財政運営と改革の基本方針2024いわゆる骨太の方針2024では、

より質の高い効率的な医療を提供する体制の構築と、医療データを活用したイノベーションを促進するため、政府を挙げて医療DXを推進するとしています。

具体的には、医療機関に対してはこれまでバラバラであった電子カルテ情報の標準化を目指し、また住民に対しては健康や身体の情報を記録した医療データいわゆるパーソナルヘルスレコード(PHR)の整備を行なうことにあります。
生涯に渡る個人の健康・医療等に関するデータを本人の意思のもと活用する仕組みです。

健康・医療には情報の蓄積が欠かせません。

私は、以前民間企業で勤めていたとき、国が進めるバイオバンク事業に携わっていました。

国立がん研究センターや国立国際医療研究センターなど、国の6つの国立高度医療研究センター(いわゆるナショナルセンター)で患者さんの同意のもと、その細胞を保管し、医学研究に活用するという事業です。

私は、この6つのナショナルセンターのうち、国立成育医療研究センターのバイオバンク事業の立ち上げに携わらせていただきました。

胎児から小児、そして妊娠中の母親に関係する疾患を克服するため、患者さんの細胞を保管し研究の下支えとするものです。

希少疾患や難病の治療方法、薬の開発には科学的知見に基づいた多くの情報、データが必要となることから進められた事業です。

骨太の方針2024で示されているパーソナルヘルスレコードは、何も一人一人の細胞を保管するものではありませんが、個人の健康に関する記録として、今後健康寿命を延ばすために必要な情報を蓄積することになります。

妊産婦健診、乳幼児健診、学校健診、また成人後の各種健診や、医療機関の情報、これらを個人の権限で管理し活用することで、超高齢社会を迎えるなかにあっても、健康寿命を延伸させ、持続可能な社会保障制度の地盤づくりをするものとなります。

そのことからR5.5月に改正されR6.4から適用された健康日本21に、国民の健康増進に関する基本的な方向として「PHR(パーソナルヘルスレコード)をはじめとする自らの健康情報を入手できるインフラの整備、科学的根拠に基づく健康に関する情報を入手・活用できる基盤の構築」と明記されました。

このように社会保障制度を維持するうえでかかすことができないのが医療DXであり、その入口になるのがマイナ保険証の活用です。

本市においても、マイナ保険証利用率向上に向けて強力に推進していただくことを要望します。

マイナ保険証は医療DXの入口

以上のような議論を交わしました。マイナ保険証は医療DXの入口です。
健康寿命を延伸し、医療保険をはじめ持続可能な社会保障制度の構築を目指していきたいと思います。